
婿と婿養子の違いって??男性にとってのメリットやデメリット、必要な手続きについても合わせて分かりやすくご紹介!
結婚と言うと一般的には男性側の姓を名乗るいわゆる嫁入りの形を取りますが、最近では働き方や考えの多様化から夫婦別姓や男性が女性側の姓を名乗る婿入りや、男性を女性側の家族に迎え入れる婿養子の形もあります。
戸籍上どちらの籍に入っているか相続の問題も出てきますので、結婚する場合は両家の家族で話し合い理解を深めておかないと後々大きな問題に発展する可能性もあります。
安易な考えで決めないように注意しましょう。
結婚の形が多様化しているとはいえ、男性を女性側の家族に迎え入れる「婿養子」の形を取る方は少ないのではないでしょうか。
しかし、少子化が進み跡取になる子供がいないという理由で、婿養子として跡取りを迎え入れることも必要な状況になる場合もあります。
「婿」と「婿養子」の違いについて
まずは「婿」と「婿養子」の違いですが、婿とは男性が女性側の姓を名乗ること(婚姻届けの提出のみ)を言います。
戸籍上は女性側の姓とはいえ、男性は女性側の親の相続権を得ることはできません。一方、「婿養子」とは男性が女性側の親と養子縁組をして(養子縁組届の提出)女性側の姓となった後に、女性と婚姻関係を結ぶ(婚姻届けの提出)ことです。
つまり婿養子になると女性側の両親と親子関係が結ばれることになるので、法律上女性側の両親の相続権が得られ、実子と同じ割合で相続することが可能となります。
婿養子になるための養子縁組は、女性側の親と配偶者の承諾を得られれば手続きは可能です。ただし結婚とは両家が関わってくることですので、婿養子を選択した場合のメリットやデメリットも含めきちんと把握しておく必要があります。
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婿養子のメリット
婿養子のメリットのひとつは、いわゆる嫁姑問題が起こりにくいことです。
一般的に、男性側に嫁ぐという形になると男性が嫁姑間で板挟みになってしまうことも。
しかし、婿養子では「嫁ぐ」という意識は女性よりも薄くなるため嫁姑問題が起こりにくいと言われています。
また、女性側の家業に伴い跡継ぎとして婿養子に来てもらった場合、待遇面など配慮してもらえたり結婚前の仕事はそのまま続ける場合でも収入の全てを生活費として入れなくても良いなど「跡取りとして迎え入れた」という意味で優遇されることが多いようです。
相続については、婿養子として嫁いだ義両親の相続権と実の両親の相続権を得ることができます。
そのうえ、遺産相続人が増えたことで相続税控除額も増えるので節税対策にも繋がります。
婿養子のデメリット
婿養子のデメリットは、妻の親に対する扶養義務が発生することです。
生活を維持するために経済的な余裕があれば、可能な限り支援することが必要となります。
男性の実の両親だけでなく、義両親に対する扶養の義務が生じてくるので、家族で話し合っておくと良いですね。
また、相続はすべてを引き継ぐことになるので、義両親に借金があるなどの場合もそれに負うリスクを伴ったり、妻以外に実子がいる場合は遺産相続の際に相続人の数が増えるとともに、相続の割合が同じということあり、トラブルに発展する可能性が高くなります。
そして、妻と離婚・死別、義両親との養子縁組は解消されないので、扶養義務や相続の権利はそのまま継続することになります。
養子縁組をしたり解消には手続きが必要になります。
しかし、手続きはいつでも行うことができます。
結婚のタイミングで婿養子という選択を決める必要はなく、両家・親族との話し合いで最終決定した方が、養子縁組が原因でトラブルに発展する可能性は低くなるとでしょう。
結婚とは財産が関係することでもありますので、後々のトラブルを回避するために養子縁組は慎重に進めることをお勧めします。
様々な家族構成や生活環境があるため、今後環境の変化に伴う問題も念頭に考える必要があるのではないでしょうか。
婿養子の場合の結婚式について
以上のことを踏まえ、「婿養子」を迎え入れることになった場合の結婚式の流れを見ていきたいと思います。
嫁入りの場合と異なり、婿養子の場合はすべての位置関係や順序が逆となります。
・結納金は新郎側から新婦側へ1~3倍くらいを贈る
・招待状の宛名や結婚式会場・披露宴会場の看板、引き出物の熨斗は新婦側の名前を上(左)にする
・披露宴会場の高砂席、ゲストテーブルは新婦側が左で新郎側が右に位置するように配置する
・披露宴にて司会者が両家の名前を読み上げる際は新婦側を先にする
・親族紹介や主賓挨拶は新婦側からおこなう
・謝辞は新婦の父がおこなう
一般的には、このルールに従って「婿養子」を迎え入れる結婚式を行います。
しかし、必ずしもルールい従わなければならないというわけではないため、両家で話し合いをして納得の行く方法を取りましょう。
婿入りについてはその理由も様々あるので、あまり公にしたくない場合などは結婚式・披露宴会場や司会者の方に伝えておく必要があります。
ただし、婿入りの結婚式については出席されるゲストには伝えておくと、当日の流れもスムーズです。
本人以外からの情報で知ることになるよりも、今後の関係を考えて事前に伝えておくことをおすすします。
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