ティファニーの結婚指輪と婚約指輪、カルティエと比較したその人気の理由

ブランド戦略を得意とするティファニー

かなり古い作品ですが、オードリー・ヘップバーンが主演する「ティファニーで朝食を」という映画があります。現代においても未だにこの映画のパロディと思われる写真や創作物が数多くみられるなど、非常に根強い人気を誇るおしゃれな作品です。劇中のオードリーのシックなファッションは時代が変わっても色褪せることなく、今も若い女性ファンを虜にしています。

ティファニーがこの映画に全面的に協力したことは、当時大きな話題となりました。高級な宝石店を映画のロケ地として使うことは、防犯上の問題があって不可能だと考えられていたからです。しかしこの映画の中でオードリーが憧れのハイブランドとしてティファニーの名を口にし、実際に彼女がティファニー本店を歩くシーンが流れたことで、ティファニーは世代を越えた圧倒的な宣伝効果を得ることに成功しました。

このエピソード一つをとっても、ティファニーのブランド戦略に長けた一面を見ることができます。

ティファニーだけのダイヤモンド評価基準「Presence存在感」

またティファニーはダイヤモンドの品質においても世界的に高い評価を受けています。組織内に独自の鑑定施設を持ち、そこでブランドの名に恥じないような一流のダイヤモンドだけを選びだしているのです。同じように鑑定施設を設けてダイヤモンドを厳選しているカルティエでは、ダイヤモンドの品質保証としてアメリカ宝石学会による鑑定書がついてきます。

しかしティファニーでは外部の審査による鑑定書をもらうことはできません。鑑定書はティファニーダイヤモンドが発行するもののみとなっているのです。

一見外部からの公正な審査がないと不安だと思われるかもしれません。ですがティファニーは一般的に知られる4Cという基準にプラスして、独自の評価基準「Presence存在感」という項目を設け、どのブランドよりも厳しい目で鑑定を行っているのです。

それだけ徹底的にダイヤモンドの質にこだわるティファニーへの信頼は揺るぎないものといえるでしょう。

婚約指輪のイメージを作った、ティファニーセッティング

独特のブルーのボックスに白いリボンの組み合わせ…ティファニーの婚約指輪は、世界中の女性が夢見るプロポーズの定番アイテムです。なぜこれほど婚約指輪と言えばティファニーというイメージが定着したのか、疑問に思ったことはありませんか。実はその理由からも、ティファニーのダイヤモンドへのこだわりを伺い知ることができるのです。

今多くの花嫁さんが抱いているエンゲージリングのイメージ、立て爪に一粒ダイヤがセッティングされたデザインは、元々ティファニーが考案したものでした。6つの爪で石を支えるティファニーセッティングという技法は、全方向から光を取り入れてダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すためのものです。

上質なダイヤモンドにこだわり抜いて今日の地位を得たジュエリーブランドならではの発明と言えるでしょう。そうして生まれた特別な輝きを持つダイヤの指輪は、今日では婚約指輪の定番として多くのジュエリーブランドで見ることができます。

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