結納返し

2017.6.24

結納返しとは|相場・品もの・結納返しをしない理由

結納・顔合わせ基礎知識
farny
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婚約に際し、男性側からの結納に対して、女性側からお返しすることを結納返しと呼びます。結納と結納返しは多くが同じ日に行われています。そのため、女性側はどのように結納返しの金額や品物を決めたらよいのだろうかと悩む人も少なくありません。かつては結納や婚礼には仲人が入り、調整役を務めていました。現在では仲人を立てる正式結納そのものが少なくなりましたので、本人同士による事前の話し合いが必要です。結納返しそのものがないという地域を除くと、結納返しの金額の目安は、結納の金額の1割~5割程度と地域によって幅広いようです。地域性も大切だけれど、まずは一般的な結納返しについて知りたいという人のために、金額や品物の目安など結納返しの基礎知識をご紹介します。

結納返しとは

結納返し

男性側からいただいた結納金に対し、女性側がお返しすること

結納で男性側から女性側に贈られた品物や現金に対して、女性側もお返しとして男性側に品物や現金を贈るという慣習があります。関東には「半返し」という慣習があり、男性側から贈られた結納金の半額を目安にして男性側に贈ります。ところが、1~3割を目安に結納返しで贈る地域や、結納は男性側から女性側に贈るだけの慣習として結納返しがない地域、結納返しはしないけれど結納金の三分の一を目安にお土産を持参する地域など様々です。これは、結婚が家と家との結び付きだった頃のしきたりの名残です。現在は、憲法にも定められているように結婚は本人同士の結び付きとなっています。そのため、形式的なしきたりが多分に含まれている結納や結納返しは、簡略化する傾向があります。形式的な品目は省略して、現実的な品目に変え、結納や結納返しを行う人が増えています。

結納返しの相場

結納返し

大体、贈られた結納金の半額

結納の主軸となるのが結納金であるのと同様に、結納返しにおいて主軸となるのは御袴料と表書きして包む現金です。結納返しの御袴料の金額は多様であり、実際には相場というものはありません。関東の例を見てみると、慣習から結納金の半額を目安に御袴料として包むケースが多いようです。地域にもよりますが、結納金の相場が100万円と言われていますので、その半額であれば結納返しとして50万円を包む人が多いということになります。最近では婚約記念品としてスーツや時計などを贈るケースもあります。

結納返しの品は、目録、熨斗、御袴料(おんはかまりょう)、末広(すえひろ)、するめ、こんぶ、ともしらが、やなぎだるの8品目です。地域によっては数が異なる場合もあります。

結納返しで気を付けておきたいルールは、結納よりも控えめにすることです。男性側から贈られる結納品より格を高くしたり豪華にしたりすることはマナー違反となります。基本的には結納品と同等か、もしくは控えめにするようにしましょう。

結納金を少なくして結納返しをしない地域もある

男性側からの結納金に対して、結納返しでは女性側から御袴料として男性側へ現金を贈ります。現金以外にも様々な縁起物などが贈られます。時代の移り変わりにより形式的になっている点を省略して合理的に、最初から結納返し分の金額を差し引いて結納金を贈り、結納返しをしないというところもあります。結納や結納返しには地域性があり、仲人を立てない場合は本人同士でどのような内容で行うか話し合っておく必要があります。特に、お互いに異なる結納の慣習がある地域で育った場合には事前の話し合いが必要です。結納金の金額の要望を女性側に聞くことは失礼にあたりますが、結納金を少なくして結納返しを行わない形式にしたいといったことは、事前にしっかり相談し合って、ふたりの意見を合わせておきましょう。

約半数の人が結納返しをしている

結納を行った人のうち約半数の人が結納返しをしています。結納と結納返しは同日に行われることが殆どですので、結納日=結納返しの日となります。そのため結納日に合わせて、事前に、男性側は結納品、女性側は結納返しの品を用意することになります。結納返しの品をセットとして、8品、5品、3品、関東式や関西式など様々に取り扱っているところもありますので利用すると便利です。結納プランのあるホテルや専門店などのほか、インターネットでも取り扱っている店舗があります。地域性や結納品より豪華にならないようにするマナーがありますので選ぶときには注意しましょう。

現金でも品物でもよい

結納は時代とともに形式や品物が移り変わります。結納金も元来は着物や反物といった現物であったものが簡略化されて現金となったものです。結納では「御帯料」「小袖料」、結納返しでも「御袴料」という表書きに名残があるように婚礼における衣裳代として贈られています。従って、伝統的に振り返ってみても、現金でも品物でもよいということになります。現在は、婚約記念品として品物で贈るケースが増えています。腕時計やオーダースーツなどが人気のようです。スーツの場合には、「お仕立券」を贈ることも可能です。男性側の趣味に合わせて、一眼レフカメラやパソコン、靴、ゴルフ用品など記念品も多様です。実用的な品物を贈ることが多いようですが、婚約記念の品物となりますので、長く使えるものを選びたいですね。

現金の場合縁起の悪い4や9のつく金額は避ける

結婚などの慶事において、日本では縁起を担ぐという慣習があります。日取りや数字、意味合いにこだわるのもそのためです。結納においては奇数がよいとされています。偶数は2で割り切れてしまうため、ふたりを結ぶための儀式である結納にはふさわしくないとする考え方から3、5、7などの数字になるように現金を贈るしきたりがあります。「8」については漢数字の「八」が末広がりの形であることから偶数であっても縁起がよい数字として好まれています。一方、奇数であっても「9」は「苦」、また、「4」は「死」を連想させるとして結納で用いることは敬遠されています。現金を贈る際には、20万、40万などという数字を避けましょう。また、新札を揃えて包むようにしましょう。

結納返しで贈るもの

結納返し

本来は縁起の良い「結納返し品一式」を贈る

結納返しでは、結納品と同様に揃える品物一式があります。贈られた結納品に対するお返しの意味で贈る品であることから、結納品よりも豪華になることのないようにしましょう。

目録

結納返しの品の一覧を記したものです。関西では目録は一品に数えないことが多いようです。

熨斗(のし)

干したアワビを伸ばしたものです。アワビは貴重な海産物であり、長寿にもよいとされていました。

御袴料(おんはかまりょう)

結納返しの現金を包みます。関東では結納金の半額を目安に、地域によっては1割~3割程度を包むという慣習があるところもあります。御袴料とは男性用の婚礼の衣裳代という意味合いです。仕立てたスーツや腕時計を贈るケースも増えてきました。

末広(すえひろ)

白い扇子を指します。結納返しでも1対の末広を用意します。白は純真無垢を意味しており、結納や婚礼においては基本的に白い扇子が用いられます。扇子を開いた扇形が末広がりであることから、末広がりにふたりが幸せになるようにとの願いが込められています。

寿留女(するめ)

噛めば噛むほど味のあるするめにちなんで、味わいのある夫婦になることを願って贈られます。

子生婦(こんぶ)

「よろこぶ」と「こ(ん)ぶ」を掛けて縁起を担いでいます。また、こんぶは繁殖力、生命力ともに旺盛であることから子宝に恵まれるようにとの願いも込められています。

友白髪(ともしらが)

髪の毛のような長さの白い麻糸を束ねたものです。夫婦ふたりともに白髪になるまで仲良く長生きできるようにとの願いが込められています。また、麻糸のように強い絆で結ばれるようにとの意味も含んでいます。

勝男武士(かつおぶし)

男性の武運を祈る意味合いがあります。また、松魚料と記す地域もあり、これはおめでたいときに用いる松竹梅の松に似ていることから縁起を担ぐ意味合いもあります。高知などでは鰹節そのものを用意することもありますが、現金を包むことが多いようです。

家内喜多留(やなぎだる)

酒料を指します。地域によっては角樽の現物を贈るところもあります。ふたりが築く家庭に多くの幸せが訪れるようにとの願いを込めて、「家内喜多留」という漢字を充てます。

結納返しの品も結納品の正式な9品と基本的には同様の品と意味合いになります。金封の表書きが御袴料となっている点などが結納品とは異なります。関西式では目録、熨斗、末広、御袴料、肴料、酒料とし、略式結納返しでは熨斗、末広、御袴料などの3品とするところもあるようです。このほかに、結納品を受け取った印として渡す受書、結納返しの品の飾り台(結納の会場で用意してもらえる場合は不要)、風呂敷(結納返しの品を持参する際に包むため)などの用意を確認しておきましょう。

現在では時計やスーツ一式、商品券などの金券金品が多い

結納返しの中心となる御袴料は、結納金の額や地域性によって金額が異なるため、本来の意味の通り、オーダースーツを贈ったり、腕時計を贈ったりすることが増えています。また、金券を包むというケースもあり、多様化してきました。大きい品物を結納返しで贈る場合には、白木の飾り台に載らないことも考えられます。スーツの場合「お仕立券」を包んで、目録には「スーツ一式」と記すと結納返しの儀式がスマートになります。

結納返しをしない理由

結納返し

結納返しを差し引いた金額を贈ったから

関東では結納金の半額を結納返しで現金として贈るという慣習があります。そのため、最初から結納返しで贈られる金額を差し引いた金額を結納金として贈り、結納返しを行わないという合理的なケースが増えてきました。結納でも結納返しでも用意される品は似通っており、互いにそれらを用意し合うのではなく、結納という儀式を重んじながらも、贈り合う品物はシンプルに現実的な内容にする傾向が見られます。

関東では、結納では、お互いに品物等を贈り合うという意味があり、その意味合いを大切にしている人もいます。結納に込められた意味を大切にするのであれば、品数や品物の内容を自分達に合うものに変えることで、負担を少なくしながらも結納、結納返しの両方の儀式を行うこともできます。地域の慣習などとは別に、合理的な理由などで結納金を少なくする、結納返しを行わないようにするといった場合には、男性側女性側の双方で事前に話し合いをしておきましょう。

結納返し分をふたりの新生活費用にしたいから

男性側から贈られた結納金の使い道を、ふたりで一緒に考えたり、ふたりの新生活の費用に充てたりしたいという現実的な考え方から、結納返しを行わないというケースもあります。関西では、結納は男性側から女性側へ贈るものであり、結納返しという慣習がないという地域もあります。そのような例を挙げて、結納返しを行わないことを男性本人女性本人はもちろん、結納で同席してもらうことになるそれぞれの両親にも説明しておきましょう。

双方が納得できるような結納返しを贈ろう

結納返しは、男性からの結納品を受けて、後日改めて贈る場合もあるようですが、殆どのケースでは結納と同日に結納返しが行われています。元来、仲人が金額の調整などをさりげなく行っていましたが、仲人を立てない略式結納であれば、あらゆる打ち合わせを両親または本人が行うことになります。金額の調整の前に、さりげなく、略式でするのかどうか、地域の慣習はどのようであるか、また、本人の考えはどうであるのかを確認しておくと結納返しの用意もスムーズになります。

合理的に結納・結納返しを行ったり、金額にこだわらず、結納返しに婚約記念品として現物を贈ったりするというのも選択肢のひとつです。また、結納や結納返しの儀式でのおもてなしに係る費用は女性側が負担するのが慣習となっています。元来、双方の自宅にて結納を交わしていた際、結納品を贈ってくださった男性側をもてなしていたという背景から生じた慣習のようです。決まりごとではありませんが、結納金には衣裳代以外にも様々な用途があります。また、結婚式・披露宴における衣裳代は女性側が高額になりがちです。結納や結納返しの歴史的背景などを知った上で、双方が納得できる結納を交わしたいですね。