結納の正式な流れとは|略式結納と正式結納って?

2017.6.22

結納の正式な流れとは|略式結納と正式結納って?

結納・顔合わせ基礎知識
farny
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結納を交わすことが決まり、結納品の準備も整ったら、次は結納の流れについて確認しておきましょう。結納の進行は、元来、結納の使者であった仲人夫妻が務めていました。しかし、時代の流れとともに仲人を立てない結納が主流となったことから、本人や両親が行うケースが増えています。時代の変化とともに結納の形式も変化、多様化したことで、結納にも正式のほかに略式と呼ばれる結納がでてきました。

そこで、正式結納って何?略式結納とは何が違うの?という疑問にお答えすると同時に、結納を交わす際にぜひ知っておきたい基本的な結納の流れや口上についてご紹介します。

正式結納と略式結納の違い

正式結納と略式結納の違い

仲人を立て、両家の家が会場の正式結納

結納は、男性側と女性側それぞれの自宅にて行われていました。そのため、両家の間を仲人夫妻が往来して結納の使者を務めていたのです。このような結納の歴史に則り、両家の家を会場にして仲人を立てる形式の結納を正式結納としています。しかし、近隣同士での結婚が少なくなり、また、家同士ではなく本人同士の意思による結婚が行われる時代となったことで、結納を双方の家で行うケースは減少しています。

仲人を立てず1か所で行う略式結納

このような正式の結納に対して、どちらか一方の自宅を会場にして両家の本人と両親が集合して行ったり、専門会場やホテル、料亭などといった場所に会場を設けて一か所で結納と結納返しとを行ったり、仲人を立てずに行ったりすることを、略式結納としています。

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結納品の数によっても正式と略式があります。地域性がありますが、正式とされる結納品の数は9品(長熨斗、金封、末広、ともしらが、こんぶ、するめ、鰹節、やなぎだる、目録)です。正式から数を減らして、7品(正式から鰹節、やなぎだるを除いたもの)、5品(正式から鰹節、やなぎだる、するめ、こんぶを除いたもの)となる場合、略式とされています。結納金を中心とした3品の結納もあります。

地域によって異なる結納の習慣

地域によって異なる結納の習慣

正式結納にも関東式、関西式、九州式などと呼ばれるものがあり、地域によって異なる習慣があります。関東では結納品を一つの白木台にすべて並べますが、関西では、結納品ひとつひとつを白木台に載せて立体的な水引で飾ります。結納品も、線香や茶葉を必ず加える地域、長寿を願って老夫婦の人形である高砂を加えたり、現金を包むのではなく現物の酒樽を結納品として加えたりと様々な特色があります。結納品を親戚や近隣の人へお披露目する習慣のある地域もあるのです。

喜んでもらえる結納を行うためには、地域性をしっかりとリサーチしておくことが大切です。男性側と女性側の地域が大きく異なる場合、最近では、結納品の受け手側である女性側の地域性に合わせることが多くなっているようです。

大きく異なる「結納返し」

地域性で関東と関西とで特に異なるのが、結納返しについてです。関東では、男性側から贈られた結納金の半額を目安にして女性側から男性側へと返す「半返し」が基本とされていますが、関西では結納返しという習慣がない地域や1割程度を返すという地域もあります。これは、関東では両家が互いに贈り合うのがよいとするのに対して、関西では結納は男性側から女性側へ納めるという考えであることから、半分を返すという習慣はなく、お礼として結納金の1割から2割程度を目安に記念品を贈るようです。

実際には、関西で半返しをする地域もありますので、両親や親戚、地元の専門会場などに聞いてみましょう。

結納のおおまかな流れ

結納のおおまかな流れ

結納のおおまかな流れとしては、両家が結納品を並べたら一言挨拶をして、まず男性側から結納品を女性側へ贈ります。女性側が目録を確認してから受書を男性側へ渡し、続いて、女性側からの結納品となる結納返しの品を男性側へと贈ります。男性側が目録を確認してから受書を女性側へ渡します。その後、婚約指輪や婚約記念品を贈ったり、双方の両親へと披露したりします。最後に結びの挨拶を交わしたら結納は終了です。記念撮影を行ったり食事会としたりします。

結納の流れを掴んだら、次に知っておきたいのが、自分達の動きや口上についてです。ここでは、自宅以外の会場において、自分達で進行を行う略式結納の流れや口上、本人や両親の動きについて簡単にご紹介します。

両家が集合

両家が結納の会場に集合したら、男性側、女性側の順に入室します。

結納品を準備、飾る

持参した結納品をそれぞれ飾ります。和室であれば床の間、洋室であれば会場の正面となる場所にあるテーブルの上が結納品を飾る場所となります。床の間や正面に向かって右側には男性側の結納品と受書、左側には女性の結納返しの品と受書を並べます。婚約指輪や婚約記念品も同様に並べます。私語はできるだけ慎みます。並べる作業が終わったら先に着席していても構いません。結納品を飾った後、一度退室して再度入室するという地域もあります。

両家挨拶、着席

結納品の準備が整った頃合いや予定の時刻を見計らって本人が「本日は、よろしくお願いいたします。」と一言挨拶を交わし、両親も続いて挨拶を交わします。席は結納品を並べた場所の前にそれぞれが座ります。床の間や正面に向かって右側が男性側、左側が女性側です。結納品に近い席から、本人、父親、母親の順に座ります。和室であれば正座し、洋室であればイスに腰かけます。

男性側の父親が始まりの挨拶をします

仲人や専門のスタッフに依頼しない場合には、男性側の父親が結納の始まりの口上を述べます。

「このたびは○女性本人の名〇様と、私どもの□男性本人の名□によいご縁を頂きまして、誠にありがとうございます。つきましては、今日のよき日に、結納の儀を執り行わせて頂きます。本来ならば仲人様をお立てして正式にお納めするべきところではございますが、前もってのお話通りに略式にて納めさせて頂きます。」

口上は父親が述べることが一般的ですが、母親が述べても構いません。

男性側の結納品を渡す

男性側の母親が結納品を台のまま運び、女性本人の前に差し出して軽く一礼をしてから着席します。結納品の正面が女性本人に向くようにしましょう。男性の父親より「□□からの結納の品でございます。幾久しくお納めください。」と口上を述べます。口上に合わせて男性側一同が一礼をします。

口上の□□には、男性本人の名を入れても、□□家としても構いません。結納の品が本人同士によって用意され交わされるものであるのか、伝統に則り、両親が用意して家同士で交わされるものであるのかで口上の言葉が変わります。自分達のケースに適した表現を選びましょう。家同士で贈り合う場合には、受け取りも互いの両親となります。

女性側が目録に目を通す

女性側一同も一礼を返します。「拝見いたします。」と言ってから目録を開いてもよいでしょう。女性本人、女性側の父親、母親の順に目録を開いて目を通します。最後に女性本人が目録を台に戻して「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」とお礼を述べて、女性側の一同が着席のまま一礼をします。

女性側が受書を渡す

女性側の母親が、贈られた結納品を女性本人の前から女性側の飾り台に運びます。次に用意しておいた受書を持って、男性本人の前に置き、軽く一礼します。受書の正面が男性本人に向くように置きましょう。着席したら、女性側の父親が「受書でございます。お納めください。」と述べます。

女性側が結納返しを渡す

続いて、結納返しを行います。手順については男性側から結納品を納めるときと同様です。女性側の母親が、結納返しの品を男性本人の前へ台ごと差し出し、一礼して着席します。女性の父親が「〇〇よりの結納の品でございます。幾久しくお納めください。」と口上を述べます。口上に合わせて女性側一同が一礼をします。

男性側が目録に目を通す

男性側一同も一礼を返します。「拝見いたします。」と言ってから開くとよいでしょう。男性本人、男性側の父親、母親の順に目録を開いて目を通します。最後に男性本人が目録を台に戻して「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」とお礼を述べて、男性側の一同が着席のまま一礼をします。

男性側が受書を渡す

男性側の母親が、贈られた結納品を男性本人の前から男性側の結納品を置いてあった場所に置きます。次に、用意しておいた受書を持って、女性本人の前に置き、軽く一礼します。受書の正面が女性本人に向くように置きましょう。着席したら、男性側の父親が「受書でございます。お納めください。」と述べます。

婚約指輪、婚約記念品などのお披露目

記念品の交換やお披露目について、口上などに決まりはありません。婚約指輪を結納の場で渡す場合には「婚約記念品としてお贈りいたします。」と男性本人から女性本人に渡します。すでに渡していてお披露目するだけの場合には「婚約記念品として□□さんより頂きました。」と言って披露してもよいでしょう。どちらのケースでも、ケースを開いて指輪を互いの両親へ披露します。ふたりが中央に進み出て記念品の贈呈や披露を行ってもよいでしょう。

女性側から男性側へ時計などの婚約記念品を贈る場合にも同様に披露します。披露の方法は自由です。それぞれがお相手の両親の近くまで進み出て直接、婚約記念品を披露すると丁寧な印象を受けます。自分達が動くときも必要以上に動き回ったり喋ったりすることなく控えめな動作でお披露目を行いましょう。婚約記念品のお披露目は行わなくても構いません。

男性側の父親が結びの挨拶

婚約指輪、婚約記念品のお披露目が一段落したところで、一同が起立します。まず男性側の父親が「おかげをもちまして、結納が滞りなく済み、ここに婚約が相整いました。今後ともよろしくお願い申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。」と挨拶を述べます。続いて女性側の父親が「こちらこそ、お世話になり誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。」と返礼を述べます。一同が再度一礼をして、結納が終了となります。

記念撮影

結納は本人達と両家の両親が、結婚前に一同に会する貴重なタイミングです。結納記念に集合写真の撮影を予約しているケースも少なくありません。ホテルや専門会場などであれば、結納プランの中に記念撮影が含まれていることもありますのでぜひ利用したいものです。プロのカメラマンを予約しなくても、会場のスタッフにお願いして、自前のカメラで集合写真を撮影しても構いません。ぜひ、記念の一枚を残しておきましょう。

食事&歓談

結納の後には祝い膳を頂くことが一般的です。祝い膳は元来、両家の使者となる仲人夫妻を労って出されるものでした。仲人を立てない略式が主流となった現在ですが、結納後に食事の席を設けるという習慣を残しているケースが多くなりました。結納後の食事会では本人と互いの両親だけの食事の席となることが多いため、アットホームな雰囲気で食事を共にすることができると好評のようです。

 

ここでは、略式で行う場合の結納の一般的な流れをご紹介しましたが、地域などによってちょっとした違いがあるようです。例えば、女性側の結納品を飾るタイミングが、入室直後ではなく、男性側に受書を渡してからという地域や、略式であれば受書は用意しないという地域もあります。

結納も地域や時代によって変化します。本人や両親の承諾を得ることができれば、昔に比べて自由度が高くなってきました。婚約指輪や婚約記念品のお披露目など、自分達なりの考えを加えることも可能です。儀式として厳粛に行うことは大切ですが、堅苦しくなりすぎる必要もありません。大切なのは、結納を交わすことで、正式に婚約者となるのだということを本人同士が強く認識し、決意を新たにすることではないでしょうか。

両家の絆を結ぶものとして結納を交わそう

両家の絆を結ぶものとして結納を交わそう

結納は婚約の儀式である性質上、神前式と同様に、決まった口上以外は基本的に言葉を口にしません。正式であっても略式であっても、厳粛な儀式として、私語は慎み粛々と結納の儀を進めたいものです。結納の流れを掴んで、実際に自分達が務めなくてはならない役目を現実的に考えてみると、負担に感じることもあるかもしれません。そのようなときには、結納だけの仲人役(進行役)を依頼したり、補助役を会場のスタッフに依頼したりすることができるプランなどを選ぶと負担が少なくなり安心です。

結納はふたりが恋人から婚約者となる節目の儀式です。ふたりの絆はもちろん、相手の両親との絆や両親同士の絆が深まることを願って結納を交わしたいですね。